新郷/葉leaf
故郷の日差しは金の光
輝かしい夢の名残日
新郷の日差しは銀の光
傷痕の上を冷たく滑る
故郷の道路には乗用車があふれ
人々の生活で満ちている
新郷の道路には工事車両がいっぱい
崩れた土地の残骸を運んでいる
故郷の土地は懐かしい温もり
人生が地層になり積み重なっている
新郷の土地はむき出しになった
新しい衣服が性急に縫われている
故郷の風は寛容に注ぐ
全ての罪を許すために吹き荒れる
新郷の風は行き場を失い
必死に脱出口を探している
故郷の人は何も変わらない
ざわめきと囁きとせわしない挨拶と
新郷の人はひとくさりの屈折を持ち
いまだにその噴出を抑えきれない
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