透明赤シート/kaz.
った。あなたの、どんな光よりも赤く、そして消えない、あなたの輝きに。街のどこかにあると信じて、錯乱の中で、探していた。僕とを繋ぐ赤い糸の存在は、きっとどこかにあったはずなのだと。もしあなたが赤いシート越しに僕を見ていたり、色眼鏡であったり、血の涙を流していたら気付かなかったに違いないだろうが、糸はきっとあると信じて探している。
それなのに…。あなたは、どこにいるのだろう。ハンカチで涙を拭うと、赤く滲んでいた。しかし、すぐに視界が赤く染まり、気付いた。僕の目は、赤が見えないのであった。赤い糸など、その視界に広がる血の海の深くに溶け込んで、見つけられるはずもなかった。今、僕は手探りで糸に触れようとす
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)