眠れる宮崎さん/kaz.
 
来ない

またいくらでも眠りたいときが来たら、
寝ても構わない、
だから授業を受けて欲しい、と
宮崎さんが、僕の肩を
やさしく叩いているうちに、

校庭の砂の上に
僕の新しい原稿は
折り畳まれてだまし船になり、
道中、
握り締めたセイルは
舳先に変わり、
溺れ死にそうになったところで
目がさめ、濡れてさめ、

家のベッドに送還されると
雨の日の犬たちが横たわり
朝食のにおいが
窓に滲んでいる
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