薄紅の風/
ミナト 螢
見頃のはずの桜を散らす雨
僕等の体にも雫をこぼし
明日に備えてと帰宅を急ぐ
待ち合わせの朝に受け取る電話
君の枯れた声で風邪だと気付き
見舞い帰りの路地裏に咲いた
小さな綿毛をくしゃみで飛ばすと
二人で飲んだウイルスの仕返し
いよいよ僕にも風邪の悪寒だ
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