望郷(七)/
信天翁
おれが猫背になる前は
風と光に色つやがふくまれて
祝い旗が屋上ではためいていたのに
卒寿となってからは
皺だらけの手旗となって
軒下で垂れさがっているではないか
無味乾燥のかぜにさらされて
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