四/もっぷ
 
猫のうたをたくさん描いた日日
束の間のしあわせと平和をしる
それをしるすよろこびが 実は
のちに癒せない痛みとなっても

そのことである
そのことである
そのことである
猫はもういない

いま泣くとしたら隣には誰が居るか
いまじゃないからわからなかった私
時が経つごとに減ってゆくその骨は
父さんの骨それはロケットのなかの

猫は回向院で眠っている
父さんのことは知らない


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