美しい文様/藤鈴呼
 
機雲を
思い出して しまうのです

右手で書いた 自分に出来る 最高の綺麗文字と
逆さまで書いた ちょっと不純な感覚のする 波打ち文字と
左手で描いた 箸にも棒にもかからないように 思われる文字が
それぞれに もじもじ と 恥ずかしがりながら 絡み合って
もう この上なく 美しい文様を 創り出したのです

ああ それは 筋雲よりも 尊く
何処までも 飛べるかのような
空の上の 絨毯なのでした

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