Side by side/ホロウ・シカエルボク
消防車のサイレンが街にこだまする真夜中
自発的な夢遊病のゲバラのシャツを着たガキどもが溢れ出て
革命とは程遠い犯行を繰り返す、おお
体制にとって彼らの存在は引っ掻き傷にもならない
世論がまるで一大事のように騒ぎ立てるだけさ
60年代のアジテーションをそのまま現代に持ち込んで
時代を描いたりなんか出来るわけがない
いま一番アバンギャルドなのは
グダグダ言わずに黙々と示してみせることさ
喋るのが好きなやつは結局喋るだけになっちまう
コーヒーの店のカウンターの一番奥の暗がりで
目立たないようにペッティングを繰り返すニキビ面のカップル
カフェ・オレを入れ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)