橘月/
信天翁
穏やかな風と光が
丘のひだにあふれて
卒寿の猫背を包みこむとき
おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる
はるかに過ぎ去った
白い季節のひなたとひかげに
自戒と望郷が交錯されて
そして和やかに聞こえてくる
小公園のベンチから
二人の主婦の話声が
桃色となって
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