彗星/優
飲みきったグラスの底を覗いてみたら
それ越しのディスプレイに宇宙
望遠鏡を覗いてみたらあの星
そんな当たり前にロマンを感じてペンをとる
大人になったってこんな台詞言ってみてもいいじゃない
好きなもの全部散りばめよう
星のない空に宝石を
でもひとりじゃ足りないんだ
北極星が足りないんだ
それはたったひとつで変わらないもので
桜越しの夜空には確かにあったんだけどな
僕が間違えて去ってしまった
それから季節が一巡りして
北極星が曖昧な彗星になって
今度は肌寒くなってきたよ
まだ肌寒いって笑って抱きしめた日が嘘のようだね
何度か別のものを北極星にしようとしたけれど
そのたびに彗星に変わった君がやってくる。困ったもんだ。
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