真夜中のブレーメン/うわの空。
 

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窓の外の、
引力や生き物の息遣いから生まれる
有機質の、音を
ラヂオの代わりに耳にいれる

いくつかの後悔や
選択の不安さに沿うように、して
またグラスの氷が揺れる



おんな、は
ひとりで酔わないと
ブレーメンを待てない


身体中に染み込まされ
わたしの血管を這い廻る
獣の一団は
それぞれの楽器を奏で
ひとつの長い走馬灯、を見せる


喪わずに、得て
盗んだ分だけ、壊されたい
それは、すべて
辻褄をあわせるため


結局は泥棒だから、
どんな形の
扉をも開けてしまう

明け渡す準備など
要らないくらいに
滑らかな恍惚




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