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山人
どこか
骨の
奥底に
黙って居座る
黒い眠りのような
小雨の朝
歯ぎしりする歯が
もうないのです
そう伝えたいけれど
そこには誰もいなく
部屋の中には
少年のまま
老いた私がひとり
狂った季節に
体節をもがれ
丸い目を見開いた生き物
だったら
蛞蝓のように這わせてください
湿気た空間を好み
枯れた木の液を舐めこそぎ
脳は
どこかに忘れました
とつぶやきたい
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