独白は無責任に(けれど真剣さを持って)/ホロウ・シカエルボク
生温い雨に濡れながら午前二時、あらゆる神経が脳天に向かって空虚を届けるころ、おれは寝床を拒否してキーボードを叩いている、ヘッドフォンのなかではインプロビゼイション・ノイズが存分に掻き回している、おれたちが人間でないものになるために芸術は存在する、存在せよ、たましいのまんまで…肌を撫ぜる真夜中は母親のようにそう諭している、たったひとつの鍵盤の音があらゆる扉を開くタイミングを知っているか?それがどんな感覚かなんて到底説明することは出来ないが―長く追い求めていればそうした感覚は時折訪れる、距離を必要としない友達のように…さて、人生はたくさん過ぎて行った、あとどれくらいが残されているのか見当もつかない
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