ヤクのような一篇の詩を/天野茂典
 

   かなりの数がやってるのだろう
   ぼくもハイになりたい
   欝は嫌だ
   飛ぶのは怖いが
   定規のような日常に
   めりはりをつけるため
   思い切ってぼくも飛びたい
   非日常へジャンプしたい    
   『麻薬書簡』は焼けてしまった
   ヤク中毒がアメリカの青年たちをたきつけたのだ
   60年代
   日本が安保闘争にあけていたころ
   彼らはヤクと禅 詩に未来を託したのだった
   午後5時55分の鐘がなる
   ハイになりたい
   ハイになってバーチャル・スピリットと出会いたい
   すべてが言葉のために
   すべてが詩のために
   声をあげて叫びたい
   ヤクのような一篇の詩を と



          2005・02・23 


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