destination/アオゾラ誤爆
 
おもい鉄の扉を
押した
瞬間にまなざしが交差する
待ち合わせには慣れている

ここはもう寒くないよ

暗がりにふさわしく目を開いて
ひとびとの騒めきを聞いている
楽しいのは
誰もいない世界のようだということで
永遠に歩き続けることも
できそうだ

あたたかい場所へ
言葉へ
あるいは身体へ
糸のように簡単にほどけない

その曲線
時に迷うこと
流れる川をたどる
ここにある目印にはきっと帰れないから
なくしても大丈夫って言って


夜に
電車を降りて
つよい雨が降っていても平気だった
窓を打つ水の光
知っている また春になった
わたしたちは季節を嗅ぎ分けて
どこまでもいく
どこまでも
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