主夫/一筆
をとるのと同じように僕も少しずつ年をとってゆく
認めたくはないが髪も薄くなるし腹も出てくる
それでも君は僕に毎日微笑んでいてくれる
若い頃、何も知らなかった頃
こんな平凡な生活だけは絶対に送るはずがないと
何の根拠もなくそう信じていた
世間でいうごくあたりまえの生活を送ることが
じつはどんなにもろく危うい日常を切り取っているか
そのささやかな生活を守り抜くために生きることが
どれほど愛おしく思えることなのかも知らなかった
君がいてくれるからこそ僕はまだここにいられる
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