死体の頭を数えて、永らえた今日を。/ホロウ・シカエルボク
 


指の隙間で結晶化する高濃度の殺意を洗浄しようとしてすべてが化膿する記録されない洗礼の日、鋼鉄の悔恨はカルシウムの欠片のように胃袋の底でごろごろと感染を続けていた、嘔吐の予感は十二時間も脅かし続け、なのに、食い散らかしたものたちは体内のどこかで寝ぼけているらしく微動だにしなかった、真冬のように寒い午後の終わり、明日はすでに宣告された刑罰のようにうなだれていた、強烈な風と性急なエンジン、窓を振動させるユニゾン、忌々しい和音に舌打ちをすると、カーテンに隠れた羽虫がお終いを決意する、無音の羽ばたきの埃のような虫、俺の手の中で轢死して、ティッシュ・ペーパーの白い闇に埋葬される、墓碑の無い死は誰も悲し
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