十代の腐臭/うみこ
僕がいくら部屋に閉じこもって
この部屋の空気を濁したって
窓を開けた先の空気は澄んでいる
そういうものだよね
いくら夏の砂つぶを挟んだままのサンダルを
玄関に置いていたって
誰も僕を連れ出してはくれない
痣ができるほど
痣ができるほど
僕の手を握ってくれる人はいなかった
胸の中に
鎖があって
両端を引っ張って
何度も輪っかをぶつけたけれど
ちぎれない
そういうものだよね
誰のせいにもできない
僕のものは
僕が背負うべきものだから
分けることはできないよ
ごめんね
胸を締め付ける
触れない
僕のもの
情けないものが
溢れているよ
母さん
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