17/あかり
溢れかえっていた
ブラックライト 白い煙 有毒
低音が恥部に響いて濡れてゆく
だれでもいいからお喋りしよう
でも英語は分からないの、ごめんね
カクテルの名前を覚える暇があるのなら
あたしは昨日より一個でも多くキスがしたいのに
掴まれる腕、胸、首筋
顔もよく見えないのに 愛してる、なんてどうして?
ざぶん
と音がした
ロブがホールの真ん中の噴水に落ちたのだ
みんな笑った あたしも笑った
けれどあたしの笑い声など 誰にも届かなかった
帰りたい
そう思った
怒られてもいい お母さんに会いたくなった
ようやくあいたカウンター席に座る
ロブがずぶ濡れのまま
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