歯の裏で/ホロウ・シカエルボク
 


望みもしない話でひび割れだらけの手のひらを訳知り顔で誇ることなどやっぱり出来ず、気の遠くなるような昔から気の遠くなるような尺度で気が違うような既視感、身体を紐で結ばれていることも知らず杭を中心にぐるぐる回る哀れ臭い子鼠のような気分で夕餉の味噌汁、啜るたびに脳をどこかへなくしてしまうようだ、ああ麹の香りで馬鹿になりました、流しには一人分四回目の椀と膳、膳と椀、ワイルド・ワン、ナウアンドゼン、一番手軽な陶酔にどっぷり溺れて卒倒寸前、シャット・ダウン、カミングスーン、スリーピング、下衆い鼾、砂壁這うタカアシグモ値踏みしていきやがる暮らしぶり、敗れた毛布のすえた臭い、抜けた髪の毛のモザイク、転がっ
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