小母さんの小鳥/もっぷ
隣りの家の小母さんは
ちいさくて可愛くて
とても珍しい
南の国の生まれだという小鳥を
とても大切にしていた
小母さんの宝物
知っていたけどあたしは
鳥なら空を飛びたいだろう
そう思っていたから 或る日
ついに小母さんの小鳥を
かごから出してあげた
なのに小鳥はすぐにまた
かごにもどってしまう
少しイライラして
あんた飛びたくないの
と小鳥に云った
すると小鳥は
私は私でいたいだけなんです
小母さんの声がした
ちっぱ、ちっぱ、
と小鳥の名を呼ぶ
ちっぱは嬉しそうに
ちっぱ、ちっぱ、
と 鳴いてこたえた
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