百分率/高橋良幸
 
まだ芽吹いてもいない木々ばかりが立ち並んだ雑木林の向こう側で、未だ上空に昇りきれない太陽が日々周回している。木々が光源を遮るそのかたわらで2月、すれ違う町並みは古い映写機で投影されたようなかすれた色彩を帯びていた。もうそろそろ冬も古びつつあることを白状したくなっている、そういう気がする。歩くにつれて、枝の効果なのかまつ毛の効果なのかは判らないが、カタカタとする光のまたたきは、またたく度に淡い赤と淡い青に変色して見えた。ときおりたちのぼる白い息は、ため息ではなく誰かと誰かの朝の挨拶だったが──それは読唇術の結果のように、思いやりに欠けたクラクションでさえも無声映画の一幕として耳の奥で響いただけだった
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