加工肉自動人形/這 いずる
 
ひらがなのようなしゃべり方で
注文を繰り返し
注文を繰り返し
注文を繰り返し
要望に応える必要のある世の中だ
復唱を強要されるのに飽き飽きして、腹も立たなくなった

加工された料理を食べ
加工され完成した人あたりの良さを得たのに
鬱々と目が閉じていくのは何故か
過程で削ぎ落とされた不要さは、重圧として天から降りてくるのか
雨が降って体を重くして
より目蓋を重くし
もう目は開けていられない
暗闇の中、意識に何も乗せない自動人形は
笑顔で注文を取る
戻る   Point(7)