加工肉自動人形/這 いずる
 
あわただしい厨房からようやく出てきたカキフライを
口蓋を火傷しながら詰め込み食べ
待たされた客はそれでいて味が分かった顔で頷きながら
口ぎたない罵倒もついでに口から飛び出して

熱々の油に浴びせかけられた
水のように爆発しかけた感情は誰にも向かわせられず
ぐつぐつと自分を煮込んでいる苦

いい加減な論理の展開。と観察している
自分が普段煮え湯を飲んでいるからって他人へ苦言を飲ませようとする
そうやって人に負担をかけたがる生き物として生まれついたのは
誰にも止められなかったことであって
酒は本性を暴露するのならそれはそういう事なのだろうと
笑顔を作る

漢字を忘れひら
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