君が教えてくれた/nonya
なんとなく
気配を感じて振り向くと
君は精一杯まん丸い目をして
じっとこちらを見つめていた
一番好きな映画の
一番良いシーンを横目で追いながら
僕は君の真っ直ぐな視線に負けて
しぶしぶ立ち上がる
カリカリを皿に注ぎ込むと
君は当たり前だと言わんばかりに
ガツガツと食べ始める
相変わらず鳴かない君は
ひたむきな瞳でたびたび
究極の二者択一を迫る
まだ幼かった頃
君はおぼつかない足取りで
部屋中の匂いを嗅ぎまくっていた
姿が見えないと大騒ぎした時は
すっぽりと仏壇におさまっていた
やんちゃ盛りの頃
君は思いもよらない高さから
人間観察を
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