断絶までのびている道/伊藤 大樹
 
すれ違うためのいくつもの道が用意されている
君がどの道をたどるのか知らない
そのため受け取ることのない手紙は書かれ続ける
愉快だが退屈な時間が流れる

雨が降る道を器用に選んで避けた
ふとするとあなたかもしれないひととすれ違った
季節を思い出している誰かの肩にも
立ち去りがたいしみとなる星が輝く

傷つける夢を見て 傷つけたいと思った
困った裁判官はわたしだ 困った被告人もわたしだ
虹色の朝日がおとずれたら その先にあるのは
堕落
かもしれない

永遠までは
いつも少しだけ足りない
それが何なのか分からず
盲いて それゆえ孤独なのだ
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