冬の旅人/ダーザイン
その道は
街灯の小さな明るみの中に
白く浮かび上がっていた
様々な思いが通り過ぎていった
その白い舞台の上を
今日は
消え残る足跡がひとつ
闇の中に後ずさる
風が
粉雪と共に運び去る
藁色の影たち
公園にこだました
子供たちの笑い声
明色のセーターと
毛玉にまといつく雪つぶて
遊戯の輪の中で
つながれたであろう手のぬくもり
とある凍れ夜
うさぎは死んだのです
祈るようにさしのべられた
少年のてのひらの中で
かたく目をつむり
ちいさくふるえて
その日私は・・
母親は胸の内で呟きます
勤めを終え くたびれた心で
今日もしん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(22)