きみに寄せる詩群/山中 烏流
 
の傍に居て
手を繋げば
飛び去る魚だって見えた、空

たくさんのものがわたしを蝕むから
ここではない何処かへ行きたかった
何一つ満足にいかないから
わたしだけのものが欲しかった


たった一人の友達は
わたしの目と耳を塞いで
そうして、
短い夢を見させた





あの魚はもういない
夕日に飛び込むことはできないし
ベッドじゃ月まで飛べない
家族は海藻にならなかったし
エウロパは遠い


(きっとわたしは死んでしまうだろう
幸せは心を鈍らせる、と誰かが言っていたように
目も耳も塞がない手が
今は繋がれているのだから
そのうちに
死んでいくのだろう)


きみが頭を撫でている
わたしは長い
長い、夢を見る







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