異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
ガランドゥスはエイレナイオスの『異端反駁論』(本来は『いわゆるグノーシスと呼ばれるものに対する論駁』)によってその名を知られるのみで、その実像は分かっていないが、おそらくは150年頃の小アジアに生まれ、やがてアレクサンドリアを中心に独自の教団を形成していたと思われる。エイレナイオスは彼をグノーシス主義者と批判しているが、グノーシス主義的な枠組みをとりながらもどうやら彼自身グノーシス主義に対する痛烈な批判を行っているようである。
「この世界の外に神はいない。ゆえに神とはこの世界の内側にいるものの名前だ」
彼のこの言葉は、デミウルゴスもまた被造物であるが故に神性を帯びる、ということを意味し
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