朝の闇/葉leaf
 


暗い駅のホームにてかじかんだ手で
自販機から買ったホットコーヒーを飲む
コーヒーとともに朝が費やされる
未来の広がりよりも
過去の堆積の方が圧倒的に大きく思えるのは
いつからだろうか
夢を失ってからだろうか
歯科医院の看板がやけに明るい
診察もしていないのに
ただ投げ捨てられたかのような
素直な公共への気持ち
遠くへ出張するということ
そこにロマンや希望はあるだろうか
あるというより生成するのだ
いまだ存在しないものが新しく生まれる
ほのあかるんできた空に
賭けるものなど何もなく
輪郭が見えてきた風景に
託すものなど何もなく

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