感謝/葉leaf
せた
彫像は自分をかたどる空間に
感謝の体積をかざした
鉄塔は自分を支える構造に
感謝の電波を添わせた
万物はみな存在から一歩踏み出すとともに
より存在へ潜るように感謝を捧げる
一日が終わるとき
青春が終わるとき
季節が終わるとき
世界が終わるとき
ひときわ放たれる情念は感謝の情念
何かが終わるとき
それは終わるのではなく感謝として始まるのだ
何かが消えるとき
その痕跡には感謝の息吹が記されている
その遍在する感謝を
今朝たった一人の僕が独占した
僕もまた一滴の光として
戻る 編 削 Point(10)