鋼鉄の神々/いねむり猫
鋼鉄の 咆哮が
また 赤い花を咲かせている
手の中に現れる 醜い神の力
確実に人々を滅ぼすために
恐怖から 己を救うために
自分しか見えない 悪と正義
自分だけの恐怖を 覆い隠すため
一人一人が、自分だけの神々を つむぎ出すしかない
鋼鉄から 抜き出された 醜い異形の神々
その神殿は
過去から未来に渡って 累々と 黒くそびえ立っている
汗と恐怖の臭いが染み込んだ、人の体に張り付いている
鋼鉄の神々は
都市に 砂漠に 大海原に 密林に 溢れている
裏山に 打ち捨てられた家電の山のように
生き物たちと 決して同化することがない 神
鋼鉄
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)