バス停/いねむり猫
街灯の光が届かないバス停で
忘れられたように バスを待ちつづける
終バスは すでに出た後かもしれないのに
ここに明日までずっと立っていても
だれも話し掛けてはこない
光を乱反射する激しい車の流れに 取り残された 安全地帯
バス停の標識と見間違う 抜け殻
首を少し倒して 時間を呼吸する
だれも取りに来ない 投げ出されたゴミバケツ
疲れた人間は、
ただ 人に迷惑をかけない きれいなむくろに なることだけが望まれている
それが 私達の 忘れられた人間の ルール
光が届かない 安息
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