バス停/いねむり猫
 
街灯の光が届かないバス停で
忘れられたように バスを待ちつづける

終バスは すでに出た後かもしれないのに

ここに明日までずっと立っていても 
だれも話し掛けてはこない
 
光を乱反射する激しい車の流れに 取り残された 安全地帯
バス停の標識と見間違う 抜け殻
首を少し倒して 時間を呼吸する

だれも取りに来ない 投げ出されたゴミバケツ 

疲れた人間は、
ただ 人に迷惑をかけない きれいなむくろに なることだけが望まれている

それが 私達の 忘れられた人間の ルール 

光が届かない 安息

戻る   Point(5)