ゆず湯/
しょだまさし
湯船にゆずが浮かんでいる
まばらに浮かぶそれらは
まるでこの世に
湯に沈むものなどないと
思わせるほど
あたりまえの様に浮かんでいる
沈んでいる自分の体に
それらが度々当たる
入りしなに嗅いだ香しさも
あたりまえの様になじんで
私はいつもの様に
ざっと体を洗い終え
湯船に蓋をした
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