冷たい冬空の夢/萩山 ふぁるこん
 


孤独とは群れの中で
人知れずに泣くことかも知れない
ゆえに僕等は丸くなる
春を夢見て丸くなる


浜辺の女
 私達は夜空に浮かぶ小さな星
 冷たい風に飛ばされぬよう
 闇の一点にしがみつき
 瞬くように生きている


岐路の男
 日々は悲しみと嵐ばかりだが
 苦痛や嘆きのほんの隙間にできた
  親しい人の声
   愛しい日常の習慣
    平穏に眠る寝床の柔らかさ
 そんな陽溜りがあるからこそ
 また新しい季節の扉に手をかけられる


あどけない子
 おひさまに起こされて
 おふとんから出たの
 おとさん いなかったの
 だからね ない
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