泣き寝入りの唄/葉leaf
どんなに傷を負って血を流しても
どんなに苦痛で涙を流しても
自分が被害者だと主張したら
さらなる被害をこうむるから
私は声を押し殺します
私の尊厳や権利を証明するための
限りなく純粋な声を
私は無かったことにします
私が黙っていれば
私が責任を負えば
他人の体面は傷つかないから
他人の体面を傷つけてしまうと
傷つける連鎖が発生してしまいます
私は傷ついてもかまわない
どんなにトラウマを受けようと
その連鎖を私のところで阻止しなければならない
だから私は泣き寝入るのです
誰も傷つけたくないから
傷つくのは自分だけで十分だから
こんな優しい私は愚かでしょうか
私が被害を受けることで
社会は乱れてしまった
加害者に注目が集まり
組織は事態の収拾でてんてこまい
それ以上に社会を乱すことは
もはや耐えられないから
私はひたすら安定と平穏のために
自分の不安定で不穏な心を押し殺し
ただ何事もなかったと
以前と同じ仮面をかぶりなおすのです
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