年の瀬/葉leaf
この世の吹きだまりには
決まったように列車が走っている
結論ばかりが吹きだまり
主張ばかりが吹きだまり
静寂が一向に吹きだまらない
静寂は余りにも遠い
距離の概念が消えるところに
まぶしく湛えられている
光は闇よりも不分明で
光は音よりもやかましい
私は疲労していた
この塵芥の中の
くだらない生存競争に疲労していた
生きる力など要るものか
どこまでも透き通った触れる力が欲しい
生きることの穢らわしさ
生きないようにして
ただ渓流のように流れていきたい
この社会の中であくせくすることが
限りなく虚ろであるため
列車の中にはいつも人がいない
降りる者も乗る者もおらず
終わっていく一年に殉じていく
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