感情のみで書いた詩/陽向?
 
くて、一々ああだ、こうだと見物するのにさえ、うんざりしている野次馬の気分で、鼻から持ち上げる気などないという感覚。
蛙がまず大きな岩を持ち上げることなど、出来るわけがないのだ、と潰された蛙の僕は、その苦しみを味わいながら、やめたやめたと大きな岩を払いのける。
その払いのける手は巨人並に大きい。

とても真面目な顔をしてしまうと、僕はそのとたん憂鬱になってしまう。憂鬱になると、とても不安そうな目になり、ただのつまらない現実を真面目に語り出す。
子供のままでいいのだ、大人の身体なら、力強く子供の様に生きればいい。実際、心は生まれた時から何一つ変わっていないのだ。

詩は頭で書く物ではない、感情だけで書くものだ。

駅のベンチで 小説を読む
文章を追いかけていながら
高校生の頃 鼻くそが小説のページにべったり付いたことを思い浮かべて
鼻をひくひくさせた
162ページで栞を挟み
なんか飽きた冬の風に身を縮ませる

遠く、あの頃と変わらない空。
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