雪/葉leaf
冬の縁を撫ぜるようにして
舞い落ちる雪の混濁を射抜きなさい
雪片たちは各々の命のようで
この冷たい空気の中
荒んだ風に吹かれて
行先もわからず耐えているのだ
この冷たい人生の末尾にて
社会の痛烈な衝撃を浴びて
各々の命は眩暈のうちに着地する
冬の最果てであるこの大地の上で
各々の命は寄り集まり
社会制度の網目にしっかり囚われている
この大地に降り積もった雪の永遠を拒みなさい
木の葉の上に集まった雪片たちは
その葉の緑に応じた事業を盲目に遂行し
屋根の上に積もった雪片たちは
一堂に会して議論を演じている
冬という社会的な季節に毎年送還される
この雪片たちの一途な命を見逃しなさい
そしてやがて訪れる流体の季節
各々の命は緩やかな共同体へと
その親しさを連合していく
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