すみれ(習作)/もっぷ
 
私は一篇の詩になりたい
それはたとえば路傍の風景

私は何も語りたくない
ひととしてのさびしさなど

私は私でありたくない
私にとって 私でありたい

私がどうしてひとであるのか
多分に偶然でしかない

(私はいま
 詩を書いてはいない)

眠れぬ夜の入り口で
私は心にすみれを植える

そうして言葉を喪って
私は一篇の詩になりたい


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