きれえごと/虹村 凌
あった。
だから、妹は、障害者に何の偏見も持っていない。沢山、見てきたから。
そんでもって、彼女の隣人愛を以てして、彼らと接する事が出来る。
俺には、出来ない。平等だって教えられただけで、実際は知らない。
電車の中で見て、マネしていた小学校の頃もあったと思い出す。
俺は、その生理的嫌悪感を催す発言をするクソ野郎に、
蹴りを呉れてやる事で、
その「障害者を大事にしてます!」
ってのを自己確認させたいだけだ。
免罪符が欲しいだけなのだ。
本当は、そこには隣人愛なんて微塵もありゃしねぇのに。
そんな事、みんなわかってんだ。
障害者の人たち、みんなわかってんだ。
でも
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