きれえごと/虹村 凌
 
くれた。それは愛だったと思う。
みんな笑いやがった。喫茶店のボーイも、ドーナツ屋の店員も。
笑いやがった。でも、そいつは一緒にいてくれた。
それって、愛だと思ってた。愛してたから、そう思いたかった。

半年で俺達は駄目になって、その女は、友達とヨリを戻した。
俺の事なんか、愛して無かったそうだ。愛なんて、無かったそうだ。

愛も、平等も無い世界に、また戻ってしまった。
でも、出来る限り、隣人愛って奴をバラ撒きたいと思っている。




しかし、そんなのは綺麗事であるのを、俺は知っている。
俺は、一般人…五体満足な人間になら、隣人愛ってのをバラ撒ける。
でも、全ての人
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