真実/葉leaf
うな虚構が真実のふりをして大手を振っているのだった。私は歴史における弱者だった。そして、真実はいつもこのようにして、弱くて美しいがゆえに蹂躙されてしまうのだった。
私は思った、世間に流布している真実など、所詮は大きな力にとって都合よく作られた虚構の泥人形なのだ、と。私は、蹂躙されながらもわずかな痕跡を残している美しい本当の真実、弱者がその力の弱さゆえに主張できなかった真実を拾い集めていきたい、そう思った。そして、大きな力によりねつ造された虚構の裏で隠蔽された数々の真実を語り続けていきたい。詩は、そして文学は、歴史の弱者が抱いている本物の弱くて美しい真実を救済するものである。私は詩を書き続けていかなければならない。真実を語り継いでいくという正義を遂行するために。
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