芥子色の北風?/信天翁
 
     東海は 知多半島の 里山に
      野の鳥かげがうすれるなか 
     昼夜の区別もとぼしくなって
   背の伸びきった「時」はただよい
 間の伸びきった「空」が拡がっている

青い春の自分史を 物置に放置したまま
      ひたすら自己憐憫にひたる
   「卒壽」を迎えたおひとりさまょ
   へっびり腰はまだ引っ込めるなょ
   非情に満ちた 芥子色の北風にも



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