家路/もっぷ
 
道のこっちっかたにあるのがシロツメ畑で
そのはんたいっかわがレンゲの畑
記憶のなかでもそしてきっと当時でも
道の右っ方にあるのがシロツメクサの群生地で
左っ方がレンゲソウの
それは家路だった
その向こうの空はかならずオレンジ色で
その少女は
空には青い時もある
ということを知らなかった
家路に背を向ければこどもは暮らせない
背を向けてどんどん行ってしまうともう暮らせない
だから少女は 生きたい と真摯に
おさない夢を懐きながら自分に
強く、願っていたのだと  思いたい


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