一円玉のささやき/Six
 
風に吹かれ
アルミニューム
薄い地面の中に
突き刺さってみた
ボクいつも
抵抗ははかない

だので無抵抗主義で
砂埃に身体を浮かせ
ボクには光はまぶしく
いつのまにか
四角い部屋なら
隅の角のどこか一つに
かさこそ

部屋には毎日
塵がたくさん降り
こっそりとどこかに積もって
勝手にどこかへ行く
それがボクは
うらやましい

お外にはたくさんのおかあさんが居て
どのおかあさんのでも
とりわけ人差し指が
ボクは好き
おかあさんの人差し指に
ぴったりと触れられて
机の上を滑る
くるりと円を描く
摩擦に疼く

おかあさんの目は
どこを見ているのか
ボクには分からない
光はいつも
ボクには眩しい
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