はじまりのところへ/感人
 
もう 帰りたくなってきたんだ
雲の 始まりのところへ

僕は こんな草原に一人でいると
どこに帰ればいいのか 本当にわからなくて

山の 上の方まで 伸びた雲の裾野を追って
歩いていくんだよ

僕には この世界に 居場所がなかった
生まれた時に そう思ったわけじゃないんだ

教室の机に座っているときも
後ろに 立たされているときも

そんなことを考えることが出来ないぐらい
この世界はあくせくしているから

だから 草原に来ないと
こんな気持ちにはならない

それでも僕は この草原に来て
誰一人 見向きもしない場所で座っている

もう 帰りたいんだ
始まりのところへ
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