風の舌(六)/
信天翁
手入れが欠けた裏庭には
跋扈したぺんぺん草が 王者となって
むなしいかげを ふるわせている
神楽月というのに
優雅な舞楽は 聴き取れず
沈滞した深閑だけが 満ちみちて
丘のひだにも漂いはじめた
晩秋のいろとかおりが
こころぼそくも しんみりと
戻る
編
削
Point
(4)