飛びつきながらボールをさばくぼくらの姿は/天野茂典
 
夕焼けてたそがれがやってくると
  父と子は
  くたくたになってグランドを後にするのだった
  父の愛をひしと
  感じた
  そうしてグローブはグリスを塗って
  ボールをつめて
  枕にして寝た
  父は帰って旨そうにビールを飲んだ
  それから寿司屋のおやじになるのだった
  電気の下で
  父の顔は夕焼けのようにてかった




       2005・02・18
  


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