守衛/葉leaf
私は王に伝えなければならない事柄があった。それでまず城の守衛に門を通してくれるように頼んだ。だが守衛は私の頼みを一蹴した。王がお前のような下賤のものを相手にするはずがなかろう、とせせら笑いながら。私は隣国の大使だったので、委任状を守衛に見せたところ、守衛は判断に困ってしまった。大使様を相手にしたことがないので、通してよいか分からない、守衛はようやく私にそう言った。私は何とかして通ろうかとも思ったが、通すかどうか決める権限は守衛にあるので仕方がない。
私は話にならないと思い、もっと大きな門へと向かった。そこは正門で、守衛の数も多かった。私はまた守衛に門を通してくれるように、委任状を見せながら言った
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